2008年3月22日土曜日

第118回日本商工会議所簿記検定3級

一通り問題を見てみたが、第3問の難易度がやや高く、ボリュームも多い。冷静に仕訳処理をして前期末貸借対照表の残高と合計していけば満点はとれるが、ここで時間をとるともっと簡単に点数が稼げる第4問・第5問に取り組む時間がなくなるケースも想定される。やはり第3問は一番最後に解くべき問題だったのだろう。

第1問
 売買目的有価証券の売却だが、切放法などまったく関係なくただ取得原価と売却価額の差額をもとめるだけ。備品の購入や期首再振替仕訳、消耗品の処理や商品券売上などどれも非常に簡単だ。消耗品の問題文から取得時に資産処理していることさえ見抜ければ特に難しいところは一つもない。
第2問
 主要簿と補助簿の問題だが、「てん末欄」の記入も含めてという意味だろうから、そこさえ間違えなければこれも簡単な問題だ。裏書譲渡した場合には、受取手形記入帳の「てん末」にその旨を記入することさえ忘れなければ(1)は大丈夫。(3)で発送費の半額負担の問題がでているが、これもまたこちら側で負担する分を売掛金で処理しようと立替金で処理しようと解答に変化がないことさえ理解できれば問題ない。商品を払い出しているのだから、商品有高帳の払出欄に記入することさえ想起しておけばよいだろう。
第3問
 これが非常に質・量ともにボリュームがある。仕訳を全部下書用紙に書いてから、T勘定に転記して合計数値を出すのにそれなりの時間が経過。手形の種類や引受などの用語に慣れていないと支払手形、受取手形、売掛金などは間違えてしまうので手形の基本を試されている問題ともいえるかもしれない。また期首再振替仕訳については第3問でも問われているし、発送費についても出題が及んでいる。また期中の固定資産売却もからんでいるので仕訳の一つ一つは簡単でも19日分の仕訳処理はけっこう面倒だ。いかに落ち着いて仕訳処理できたか、というのが肝心。
第4問
 3伝票制度だが、反射神経的に伝票といえば仕入伝票は買掛金で仕入れたものとする…といった発想を封じ込めるための出題だろう。取引を適切に分解して起票する方法で出題されているが、それほど難しくない。珍しいといえば珍しいのだが、それはやはり掛け仕入や掛け売上を前提とした伝票処理のほうが難しいからこれまで出題されてきたということにほかならず…。
第5問
 一部未処理事項を含む決算整理事項。3級にしては数字が細かくなるが10分もあればだいたい完答できるかなり易しいレベル。第3問とここでバランスをとったのかもしれない。消耗品についてもここで出題されており、かなり全体として出題論点が偏りを見せているのがやや気になる。見越し・繰り延べの処理もここ数回の中では最も易しいレベル。第3問でやや間違えても、第1問・第2問・第4問・第5問でかなり点数を上げることができたのではなかろうか。問題は一見第3問だけみると難しそうだが、実は全体としてはかなり易しい水準と思われる。

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