2008年8月10日日曜日

消耗品と工場消耗品と工場消耗器具備品

 消耗品は商業簿記で使用される勘定科目で、だいたい切手や用紙代など日常感覚で用いる消耗品とそれほど意味は変わらないだろう。工場消耗品は、「工場」という言葉が単語の前についているので製造目的で消費される消耗品であることが明示されている。間接材料費のうちでも材料管理の重要性が乏しい材料、たとえば「原価計算」(国元書房)では、「機械油、グリス、電球、石鹸」といったものが具体例として挙げられている。たまに工業簿記で「燃料勘定」が使用されているケースがあるが、この場合には、石油や石炭などを一定程度使用する工場で、工場消耗品勘定で処理するのが妥当ではないと思われるケースで、工場消耗品とは区分して燃料勘定を使用するものと考えられる。いずにしても工場消耗品も燃料も継続記録法ではなく金額的に重要ではない間接材料であって、帳簿などでしっかり管理する必要がある金額的重要性のある間接材料費については、材料管理という観点でしっかり補助材料費として記録・管理するのが妥当だろう。
 そして工場消耗器具備品。10万円以下の固定資産(商業簿記でいえば備品)が該当し、となると「備品」という用語を使うのが妥当ではないような気もするが、「器具」であることには間違いない…ということでスパナや検査器具などが該当する。この場合には固定資産ではなくやはり間接材料費ということになるのが通例のようだが、「備品」という言葉よりも「器具」という言葉に重点が置かれた勘定科目と考えるのがよさそうだ。ただ消耗品であることには変わりがないので、工場消耗品と工場消耗品器具備品を明確に区分する必要性があるのかどうかは疑問だ。もし両方の勘定が使用されていた場合にはなんらかの工場もしくは会社の内部規定で使い分けが明確になされていると考えるのが妥当なのだろう。

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